ごあいさつ

 
慢性腎臓病(CKD)をこれ以上増やさないために  

 山梨慢性腎臓病対策協議会(YCKDI)は、山梨県における慢性腎臓病対策の推進により腎不全の発生を抑制し山梨県民の健康の増進に寄与する事を目的として2010年4月に発足しました。

 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease=CKD)は成人の8人に1人の割合で発病するといわれており、高血圧や糖尿病に次いで頻度の高い病気です。慢性腎臓病(CKD)の原因は様々で糖尿病、腎硬化症(高血圧)、慢性糸球体腎炎、多発嚢胞腎などが上位を占めています。慢性腎臓病(CKD)になるとおよそ60人に1人が透析になります。山梨県の透析人口はおよそ二千人で、新規の透析導入も増加しており生活習慣の欧米化を背景とする糖尿病の増加により、ますます慢性腎臓病対策の重要性はましています。

 しかし、CKDを早期に発見し早期に治療を開始し末期腎不全に至らせないための仕組み作りがなかなか進みません。そこで、2006年に日本腎臓学会、日本透析医学会、日本小児腎臓学会が母体となり日本慢性腎臓病対策協議会(JCKDI)が設立され、全国レベルで慢性腎臓病に関する種々の啓発活動を行ってまいりました。山梨慢性腎臓病対策協議会は山梨県下で上記3医学会に属し、CKDの診療にあたっている医師を中心として発足しました。

増え続けるCKDを前にして有効な対策を講じるには
 1)CKDの早期発見早期治療
 2)継続的で有効な治療を担保するための仕組み作りが必要です。

これらの仕組み作りに必要な事は
 1)検診、検尿結果に基づく専門医紹介基準の遵守
 2)専門医、非専門医間の診療連携の確立
 3)患者、医師、看護師、栄養士、薬剤師、検査技師、養護教諭、行政などすべての関係者によるCKDへの組織的かつ積極的取り組みです。

 そして最後に一番大切なものは『CKDは適切な介入により進行を防ぐ事が出来る』と云う事への理解と信念の共有だと考えます。

 山梨慢性腎臓病対策協議会は、これからも継続してこれらの運動を担っていきたいと思います。皆様のご協力とご指導を今後ともよろしくお願いします。

 なお、2010年度は山梨県の後援をうけて、
 1)2010年11月28日コメディカルスタッフの慢性腎臓病研修会と
 2)2011年3月20日の慢性腎臓病市民公開講座
   (詳細は各々のページをご覧ください。)
   の2事業を計画しております。

山梨慢性腎臓病対策協議会  代表 原口 和貴